渡部昇一先生の『日本人の道徳心』 (2017/6/20 KKベストセラーズ) の元になった DHCテレビ『平成の修身』の最終収録は4/4で御逝去4/17の2週間前というから、これが先生の発言の最後の本ということになるのだろう。もちろん先生の御著作の出版は今後も続くが、御長逝直前の著述となると、この『日本人の道徳心』であり、日本及び日本人への先生の遺言ともなっている。テーマがなんともよろしいではないか。
「まえがき」に文部科学省が「道徳」を教科化するということに関して、「・・・教科化されたからといって、殺伐としたこの社会がかつての道徳観をすぐに取り戻せるとはとても思えない。」と書いておられる。同感である。小生自身は前から文科省の考えではまともな教科書は難しい。それより『論語』を用いればまず間違いはないと思っていたし今も思っている。しかし、文科省や教科書会社がそんな考えをもつことは期待できない。文科省は何しろ前川喜平という人が事務次官としていたようなところでもある。まともに「道徳」を考えるのは無理というものだ。